第三十ー話
「一年の終わりに寄せて」
——つないでくれた時間に、そっと感謝を
2025年も残りわずかとなりました。
新しい一年の足音を感じながら、この一年をふと振り返っています。
今年から始めたこの「mizutoriとは…」という小さな読み物。
手探りのスタートでしたが、毎週のように文章と向き合うなかで、
私たち自身があらためて “水鳥工業とはどんな会社なのか” “mizutoriとはどんなブランドなのか”を見つめ直す時間となりました。
下駄のこと。
木のこと。
ものづくりのこと。
そして、そこに関わってきた無数の人の想いのこと。
文章を書くたびに、
家族、社員、お客様、職人さん、地域の方々──
これまで水鳥工業を支え、つなげてくださったすべての人の存在を、
より深く、温かく感じるようになりました。
先代が亡くなって一年。
山あり谷ありの中で会社を守り、バトンを引き継いでくれたことへの感謝が
これまで以上に胸に沁みる一年でもありました。
私たちはこれからも、まずは “100年企業” をめざして。
お客様の暮らしにそっと寄り添う履物づくりを続けながら、
日本の履物文化を未来へつなぐ活動に、
社員一同で取り組んでまいりたいと思います。
一年を通して、この読み物を楽しみにしてくださった皆さま。
ときどき声を寄せてくださった皆さま。
静かに読んでくださった皆さま。
そのひとつひとつが、何よりの励みでした。
本当にありがとうございます。
来年もまた、
mizutoriの日々の営みや、ものづくりの裏側、
そして皆さまと分かち合いたい小さな物語を、
この場でお届けできればと思っています。
新年最初の「mizutoriとは…」で、
また皆さまとお会いできますように。
どうぞあたたかく、やさしい年末をお過ごしください。
そして迎える一年が、健やかで穏やかな時間に満ちていますように。
来年も、水鳥工業を、そしてmizutoriをどうぞよろしくお願いいたします。




次回に続く