第十一話
下駄のおじさん

 

今日は、mizutoriの“顔”として長年親しまれていた
先代社長――通称「下駄のおじさん」のエピソードをお届けします。
mizutoriのルーツを知ることで、今お届けしている下駄が、もっと身近に感じてもらえたら嬉しいです。




春から夏にかけての下駄の季節。
先代は毎年、北海道から鹿児島まで、全国の百貨店で開催される職人展や浴衣フェアを飛び回っていました。

銀座、梅田、天神…。

どこへ行っても、作務衣姿に巾着ひとつ。

そして誰にでも気取らず、方言まじりで接客するのが、先代のスタイル。
その姿に、いつしかお客様からは「下駄のおじさん」と親しみを込めて呼ばれるようになりました。

少々ぶっきらぼうだけど、なんだか憎めない。
思ったことをズバッと言うその性格に、驚かれる方もいたかもしれません。
でも、そんな飾らない人柄こそが魅力で、催事が恒例になるにつれ、まるで親戚のおじさんに会いに来るように、
顔を見せてくださる常連さんも増えていきました。

中には、差し入れを届けてくださる方、
静岡の工房まで訪ねてきてくださる方、
さらには、お中元やお歳暮を贈ってくださる方まで。

たとえば、足に合う下駄が見つからないお客様には、
「ぴったりこないのは、あんたの足の形が悪いんだよ」
と、ズバリ。

でもすぐに、
「安心しな。気持ちよく履けるようにしてやるよ!」
と、頼もしく言い切るのです。

これが先代なりの、絶妙な接客術だったのかもしれません。

その真っ直ぐな人柄と、自分の作る下駄への自信と深い愛情が、お客様の心をつかんでいったのだと思います。
mizutoriは、そんな「下駄のおじさん」のあたたかく、親しみやすい空気感を、今も大切に守っています。
時代とともに変化していくことはあっても、その根っこにある想いは、今も変わりません。

ですから足にお悩みがある方も、どうぞお気軽にご相談くださいね。
「下駄のおじさん」のように、あなたにぴったりの一足を、お届けします。

今年の夏は足にぴったりフィットする、心地よいmizutoriの下駄を体験してみませんか?




次回に続く