第五十九話
暑い夏を涼しく乗りきる履物とは?
先日、
朝の情報番組で、
暑い季節におすすめの
サンダル特集を放送していました。
梅雨も明け、
本格的に暑くなってくると、
やはり足もとにも、
できるだけ涼しく軽やかに感じられる
履物を選びたくなります。
サンダル特集では、
蒸れにくいもの。
軽いもの。
立ったままサッと履けるもの。
足を休ませる
リカバリーサンダルまで。
さまざまな商品が紹介されていて、
同じ履物をつくる者として、
とても興味深く見ていました。
どの商品にも、
それぞれの工夫があり、
「なるほど。」
と思うことばかりでした。
そんな特集を見ながら、
実は心の中で、
「下駄も仲間に入れてほしかったな。」
と思っていました。
もちろん、
下駄は一般的に皆さんがイメージする
サンダルとは違うかもしれません。
けれど、
サンダルという言葉が
日本で広く使われるようになる、
ずっと昔から、
日常の履物として、
人々の暮らしの中にあって、
蒸し暑い日本の夏も、
快適に過ごせるよう、
足もとを支えてくれていました。
番組で紹介されていた
サンダルの魅力を聞くたびに、
「下駄にも、
共通する心地よさがあるんだけどな。」
そんなことを
何度も思っていました。
足全体を覆わないので、
蒸れずに快適。
鼻緒だけで支えるので、
足指をしっかり使って歩ける。
疲れたら、
ほんの少し鼻緒から足を抜いて、
足を休ませながら履くこともできます。
そして、
立ったまま手を使わずに、
簡単に脱ぎ履きができる。
デザインも多種多様。
どれも、
年々夏の暑さが厳しくなっている今だからこそ、
これまで以上に
見直されている魅力かもしれません。
下駄には、
素肌で天然素材を感じられる
心地よさがあります。
木でできた台に足を乗せると、
夏はひんやり、
冬はほんのりとあたたかく感じます。
季節によって
気温の変化が大きい
日本の風土に適した履物だと言えます。
だからこそ、
さまざまな履物がひしめく現代でも、
淘汰されることなく、
選ばれ続けている履物なのです。
また番組では、
「軽さ」も
大きな魅力として紹介されていました。
確かに、
履物は軽い方が楽だと
思われがちです。
けれど実際は、
歩きやすさは、
軽さだけでは決まりません。
マホガニーの木から作られている
mizutoriの下駄は、
手に取ると
少し重く感じるかもしれません。
けれど、
適正なサイズを選び、
ご自身の足と下駄が
一体化するように合わせて履けば、
重さを感じることは
ほとんどありません。
むしろ、
ほどよい重さがあることで
足もとが安定し、
歩きやすさを感じていただけるはずです。
私たちが、
鼻緒の調整に対応しているのも、
そのためです。
もちろん、
新しい素材や技術から生まれる履物には、
新しい良さがあります。
私たちも、
日々そこから学ぶことが
たくさんあります。
ですから、
サンダルと下駄を
比べたいわけではありません。
ただ、
それぞれに違った魅力があり、
その中で下駄にも、
現代の暮らしに合う心地よさがあることを、
もっと知っていただけたらと思っています。
今年の夏、
サンダルを選ぶ時、
その選択肢の一つに、
「下駄」
という日本の伝統的な履物も、
思い出していただけたら嬉しく思います。
暑い夏を、
足もとから少しでも心地よく。
mizutoriの下駄が、
皆さまの夏のお出かけに、
そっと寄り添えますように。













