-下駄物語-
mizutoriを展開する水鳥工業は、1937年(昭和12年)に、静岡市の地場産業である下駄の木地加工工場として初代水鳥太一が創業。広島、大分と共に下駄の三大産地のひとつとして栄えた静岡市の下駄産業の一端を担っていました。
しかし1960年頃から日本にも海外の文化が急速に流入しはじめ、生活様式が大きく変化し、下駄に代わってサンダルやシューズが履物の主流になりました。
それに伴い水鳥工業も、下駄の木地加工からサンダル・シューズの中底製造へと移行。1980年代後半頃になると、日本の産業が次々に海外へ生産拠点を移す流れの中、中底製造の仕事は徐々に減少していきました。
『何か新しいことを始めなければ生き残れない。』
強い危機感を感じた2代目の水鳥正志は、原点である下駄を現代の履物として再び日常生活に復活させようとオリジナル商品の開発を始めました。
「いまさら下駄は世の中の流れに逆行している」と周囲は心配しましたが、『サンダルやシューズのような快適性と、現代のファッションやライフスタイルに合うデザイン性を兼ね備えた全く新しい下駄を作れば必ず喜んでもらえる』と信じ、正志は開発に突き進みました。
試行錯誤を重ねる中、創業当時行っていた下駄木地加工の経験と、長く履物の中枢とも言える中底製造をして培った知識と技術が大いに役立ちました。
こうして、伝統と革新が融合した新しい魅力を持つ ‟進化した下駄” が誕生しました。
この初代モデルは、‟げた物語” と名付け、今もmizutoriのはじまり・原点の下駄として大切にしています。
時代と共に進化するmizutoriはこれからも柔軟な発想でチャレンジを続けていきます。