第四十四話
ものづくりを支えるもの
10年以上前のことになりますが、
あるご愛用者さまから、
とても印象に残るお写真をいただいたことがあります。
それは、
つまみ細工で華やかにデコレーションされた下駄でした。

当時、私たちも
鼻緒にスタッズやアクセサリーパーツをあしらうなど、
アレンジの楽しみ方をご紹介していましたが、
その作品は、
そうした提案をはるかに超える技術と完成度で、
スタッフ一同、思わず息をのんだことを覚えています。
さらにその数か月後、
この方は下駄の木地そのものを削り出し、
木地も鼻緒もすべてご自身の手で仕上げた
一足の写真も送ってくださいました。
それを見たときの驚きは、
言葉では言い表せないほどでした。
私たちは日々、
商品開発のためにさまざまなデザインを考えています。

けれど、
考えが行き詰まったとき、
ふとこのご愛用者さまのことを思い出すことがあります。
写真から伝わってきたのは、
ものづくりに向かう強い熱量と、
「つくることが好きだ」というまっすぐな想いでした。
それに触れたとき、
あらためて気づかされるのです。
何かを生み出すことは、
難しく考えすぎるものではなく、
本来は、もっと自由で、
もっと楽しいものなのではないかと。
「誰かに喜んでもらいたい」
という気持ちももちろん大切です。
けれどその前に、
自分自身が心から楽しんで、
ものづくりが好きであること。

そういう想いがこもったものは、
自然と人の心に届いていくのだと思います。
好きという熱意で生まれたものを、
好きだと感じて手に取ってくださる方がいる。
その想いが人から人へと伝染していく。
そうやって少しずつ広がりの輪が結ばれてきたことが、
今のmizutoriを形づくっているのかもしれません。
mizutoriを好きだと思ってくださる方々の存在に、
支えられてここまで歩んでくることができました。
そのことを忘れては、
新しい何かを生み出すことはできません。
思い起こせば、
これまでも皆さまと一緒にものづくりをしてきました。
何気なくかけていただいた言葉がヒントとなって
新しい企画が生まれたり、
ご相談いただいたことがきっかけで
新しいサービスが生まれたり。
ご愛用者さまから届くお写真やメッセージは、
私たちにとって、
ものづくりを続けていくための大きな力になっています。

時には厳しいご意見をいただくこともありますが、
それもまた、
次へと進むための大切な気づきになります。
これからも、
皆さまの声に耳を傾けながら、
作り手としての熱量をもって
ものづくりと向き合っていきたいと思っています。
もしよろしければ、
皆さまがmizutori下駄について思うことや、
下駄でのお出かけエピソードなど、
ちょっとしたことでもお気軽にお聞かせください。













