第二十五話
木に触れるということ


——自然のぬくもりを、日々の暮らしの中で

冬の朝、空気の冷たさに少し身をすくめながら、ふと木の家具や床に触れると、
どこかほっとした気持ちになることがあります。

木に触れるときの、あのやわらかな感触。
それは、自然の中で暮らしていたころの人の記憶に響く安心なのかもしれません。

mizutoriの履物づくりは、そんな木の心地よさを暮らしの中にそっと息づかせることを大切にしています。


足裏で木の質感を感じ、自然のぬくもりとともに過ごす時間。
それは、忙しい暮らしの中でふと立ち止まるような、静かなやすらぎのひとときです。

木は、見た目や香りだけでなく、触れたときの温かさにも特別な力があります。

研究によると、木材の表面に触れると心拍数や血圧が穏やかに下がり、
体も心もリラックスする傾向があるそうです。

また、木は熱を伝えにくいため、
冬でもひやりとせず、ほんのりと温かく感じられます。
そうした自然の性質が、
mizutori
の履物がもたらす心地よさの一部になっています。

木目の模様や光沢、ひとつとして同じもののない表情にも、不思議な力があります。

人は自然の中にあるゆらぎに安らぎを感じるといわれます。
だからこそ、木の履物に足を入れるたび、どこか落ち着いた気持ちになるのかもしれません。

mizutoriの下駄や室内履きは、そうした木の特性を活かしながら、現代の暮らしに寄り添う形に進化を続けています。履き心地のよさ、デザインの美しさ、そして何より、自然とともにある感覚を大切に。

手に取った瞬間に伝わる木のあたたかさ
それは、季節を問わず人の心に寄り添う、mizutoriのものづくりの原点です。

足もとから、自然と調和するやさしい時間を。
木のぬくもりが宿るmizutoriの履物は、自分をいたわる時間にも、誰かを想う贈りものにも、そっと寄り添います。



次回に続く