下駄はかかとを出して履くもの? 昔ながらの履き方と現代のサイズ選び
「下駄は、かかとが少し出るくらいがちょうどいい」
そんな話を聞いたことはありませんか?
一般的なサンダルなら、かかとがはみ出していればサイズが小さいと感じます。それなのに、下駄や草履では、あえてかかとを出して履くことがすすめられてきました。
実はこの履き方には、見た目の美しさだけでなく、着物での歩きやすさに関わる理由もあるようです。
なぜ、かかとを出して履くの?
伝統的な草履では、かかとが台から1〜2cmほど出る履き方が、現在も広く紹介されています。
その理由の一つが、着物の裾との関係です。
着物を着て歩くとき、履物の台が足より後ろに大きく突き出していると、裾を巻き込んだり、踏んでしまったりすることがあります。
かかとを少し出して履けば、台の後端が足より前に収まるため、裾が引っ掛かるのを避けやすくなると考えられています。
また、足元をすっきりと見せることも、和装ならではの美意識として受け継がれてきました。
この履き方がいつ頃から広まったのかは、はっきりしていませんが、着物での暮らしの中で受け継がれてきた知恵の一つといえそうです。

かかとを出すと、バランスがよくなる?
かかとを少し出すことで、重心の位置や足運びが変わり、歩きやすく感じられるという説明もあります。
しかし、かかとを出せば必ず立ち姿が安定する、というわけではありません。
足の形や鼻緒の位置、台の長さや高さによって、体重のかかり方は変わります。かかとが大きくはみ出すと、台の後端が足裏に当たったり、かえって負担を感じたりする場合もあります。
大切なのは、かかとを何センチ出すかという数字だけでなく、無理なく立ち、自然に歩けることです。
現代の下駄も、かかとを出すべき?
ここで知っておきたいのが、下駄や草履は、形状によって適したサイズの選び方が異なるということです。
昔ながらの平らな台を持つ下駄や草履では、かかとを少し出す履き方が、今も選ばれています。着物との組み合わせや、履物の構造によっては、その方が足さばきよく感じられる場合もあるでしょう。
一方、現代の下駄には、足裏の形に合わせて台の表面にカーブや凹凸を設けたものもあります。
例えばmizutoriの下駄は、足裏に沿うように木の台を立体的に彫り、できるだけ足長に合ったサイズを選ぶことをおすすめしています。
一部の製品を除いてサイズを1cm刻みで展開しているのも、足裏と台のカーブが合う位置で履いていただくためです。
こうした下駄を昔ながらの感覚で小さめに選ぶと、足裏と台の形状が合わず、本来の履き心地を感じにくくなることがあります。

まとめ|昔の常識も、今の履き方も
「下駄はかかとを出して履くもの」という考え方には、着物での足さばきや、足元を美しく見せるための工夫が関係しています。
だからといって、現代のすべての下駄に同じ履き方が適しているわけではありません。
伝統的な下駄や草履には、その形に合った履き方があり、現代の下駄にも、それぞれの設計を生かす履き方があります。
昔ながらの知恵を大切にしながら、履物の形や自分の足に合わせて選ぶこと。
それが、下駄を心地よく楽しむための、今の時代のサイズ選びなのかもしれません。













